アダルトチルドレンについてよく分かる小冊子(PDF)
「私ってアダルトチルドレンかも?と思ったら読む本」を期間限定で無料プレゼント中です
詳しくはこちら
アダルトチルドレン克服カウンセリング大阪(AC大阪)の吉野です。
アダルトチルドレンを語る上で【機能不全家族(きのうふぜんかぞく)】はとても関連の深い問題です。
AC大阪に来られる方のすべて(一部ではありません)の方は、さまざまなご事情はあるものの「機能不全家族」状態である、という点で共通しています。
このページでは
「機能不全家族とは何か?」
「機能不全家族を知るための25項目のチェックリスト」
「機能不全家族とアダルトチルドレンの切っても切れない関係とは?」
「機能不全家族・ACからの克服のための方法」
について詳しくお伝えします。
【機能不全家族】とは?アダルトチルドレンとの関係は?
「機能不全家族」とは、さまざまな本やサイト上では
家庭内で起こる対立や虐待(身体的・心理的・性的)、育児放棄(ネグレクト)や過干渉などが恒常的に家庭内に存在する状況
と説明されています。
ただ私は、この説明を読んだ方が
「自分の家庭はそうではない(そこまでひどくない)」
と考えてしまい、機能不全家族の問題に向き合う
チャンスを失ってしまう場合が多いのではないか
と、上記の説明に危惧を抱いています。
このサイトでの「機能不全家族」の定義は?【機能不全家族チェックリスト】
機能不全家族について、もう少し広い意味でわかりやすい表現を使って説明すると…
【家族の誰かが家の中でガマンして、自分らしくない生き方をしている状態】
と考えています。
「虐待」には該当しなくても、下記の状況に3つでも当てはまれば、かなり生きづらい状況だろうと考えています。
機能不全家族チェックリスト【全25問】
- 親がイライラしてる姿を見て育った
- 親が不幸そうな顔をしてることがあった
- 両親の仲が悪く、いつも仲裁役をするか黙って見ているしかなかった
- 「どうして別れないんだろう」と思ったことが何度もある
- 「もし別れたらどっちについていこう」と真剣に考えたことがある
- 自分の意見が言えない。つい人の顔色を気にしてしまう
- 油断したら誰かに責められそうな気がする
- 「良い子」でいることで、家族の問題を解決しようとしていた
- 「今日はお父さんとお母さんが喧嘩しませんように」と神に願ったことがある
- すぐに謝るクセがついてしまった
- 生きづらい。なぜ自分が存在してるのかがわからなくなるときがある
- どこの家でもこんなもんだろうと思っていたが、仲のいい家庭があることを知って驚いたことがある
- 逆に親と仲が良すぎて(親友みたいで)、聞きたくない相談を親から受けたこともあった
- 自分が親になって子どもを持ったとき、同じような生き方しかできないなら、子どもは欲しくない
- きっと親は自分の苦しみを一生気づかないだろうと思う
- 「いい学校に入れ」「いい就職先に入れ」「結婚しろ」「子どもを産め」と言われたことがある
- 友だちや恋人を「出身校」や「就職先」で『値踏み』されたことがある
- 友だちや恋人との付き合いを、親の一存で別れさせられたことがある
- 「あんなヤツになるな」「あんな仕事はダメだ」と(差別的発言が)多い。人を見下した態度を取る家族がいる
- 子どもの頃「お母さん(お父さん)」と呼んだとき、正面を向いて目を合わせてくれたイメージが湧かない(横か後ろを向いている)
- 細かいルールが多かった。そしてそれは常にコロコロ変わった
- 「○○だから」(お姉ちゃんだから、妹だから、親だから(良いんだ)、子どもだから(口答えするな)、育ててやったんだから)が多かった
- 「お金を掛けてやった」「育ててやった」「食わせてやった」「小遣いもやった」「不自由はさせなかった」と、『当たり前』のことを主張されてきた
- 反抗期がなかった
- あまり友だちを家に呼びたくない
こんな状況が3つ以上あれば、それはあなたが育った環境が
機能不全家族だったかも知れないことを考えてみてもいいのかも知れません。
親の顔色を伺い、返事があいまいになるのは機能不全家族の第一歩かも
普段は笑顔で仲良さそうに話し合っている親子であっても、常に子が親の顔色を見て、親が求める正解を答えなければならなかったり、自分の意見を言おうとすると否定されるので、「べつに」「どっちでもいい」などのあいまいな返事をした方が安全だと感じていたら、それだけでも十分機能不全家族の素地はできています。
機能不全家族で悩まれる方はみなさんアダルトチルドレンの状態ですし、
アダルトチルドレンの克服カウンセリングを受けられる方は機能不全家族についてお悩みだ、と言っても過言ではありません。
「ウチはうまく行っている」と言われる親の影で…
『機能不全家族』という言葉を聞いて、ドラマで見るような大きな問題を抱えた家庭のイメージを持たれたり「ウチはそうじゃない(そんなにひどくない)」と言われる方は少なくありません(とくに親御さんはこのようにおっしゃる方が多いのが事実です)。
ですが、機能不全家族だったかどうかは、親御さんではなく、その家庭で過ごしコントロールを受けてきた方が判断すること、なのです。
「一般家庭の85%は機能不全家族」といわれる現状があります。
「一般家庭の85%は機能不全家族の状態である」
これは米国の心理学者の言葉です。
ではこの話は日本の家族には関係ないのか、というと、私は日本も負けず劣らず機能不全家族が生まれやすい環境にあるのではないか、と考えています。
(正直に言えば、私は(謙遜や横一列の姿勢を大切にしている)日本の方が問題は多いのではないかと思っています)
機能不全家族かどうかを判断する3つのポイント
機能不全家族の克服カウンセリングを行っている私たち心理カウンセラーは
「機能不全家族かどうか」を判断するとき、下記の3点に注目しています。
それは、
① 家族の誰かが常に緊張状態にある
② 家族の誰かが『別の自分にならなければいけない』状態にある
③ 家族の誰かが『被害者』『加害者』『傍観者』『脅迫者』の役割についている
という状況に当てはまるかどうか、です。
下記でさらに詳しく解説していきます。
機能不全家族の特徴①家族の誰かが常に緊張状態にある
機能不全家族の特徴の1つめは【家族の誰かが常に緊張状態にある】ということです。
カウンセリングを受けられた方の声を引用すると
- いつも叱られるんじゃないか、とビクビクしていた
- 不用意な発言をすると、そのあと言葉や態度でずっと責められる
- いつも親(力の強い者)の意見に同意させられた。反対意見が言える雰囲気ではなかった
(ご相談者の声より)
このような状態です。
つまりこういう状態は、『暴力的で威圧的な人が存在する家庭』だけではなく『教育熱心で、親の価値観を子供に従わせようとする家庭』にも起こりやすい、とも言えます。
例えばあなたの家ではこんなことはなかったでしょうか?
- 家の中に『絶対的な権力者』がいた
- 家族の誰かが(勝手に)テレビのチャンネルを変えることに耐えなければならなかった
- 家族の誰かが帰ってきたら、いつも雰囲気が重くなる、会話が途絶えた
- 家族の誰かが帰ってきたら、自分の部屋に隠れるように戻る家族がいる
- 家族の誰かが大切にしているもの(想い)を否定する人が1人以上存在する
- くつろいでいるとイヤミを言われる、ため息をつかれる
親がアルコール依存症やギャンブル依存症だったり、虐待(DV)が恒常化している家庭は、むしろわかりやすい例と言えますが、それとは正反対に愛想が良くてご近所でも評判な親御さんであっても、子供の教育に熱心になるあまり、テストの点数次第で子供を追い詰めたり、子供の意見を聞かずに価値観をコントロールしようとする場合も同じ。
暴力的であろうと、精神的にであろうと、どちらにしても親が価値観を植え付けようとしている、反論を許さない状態であれば、それは機能不全家族の状態であり、同時にアダルトチルドレンも生まれやすい、と考えています。
親御さんは「子育てがうまくいっている」と思っていても、子供の側がいつも親の顔色を気にしていたり、自分の意見や希望が言えず、いつも親が求める正解だけを答えるような状態になっていないか?
昨日まで親の言うことに従い、従順だった我が子が急に、糸が切れた(または空気が抜けた)風船のようになってしまったり、また急に荒れて親御さんのことを「毒親」と言い出したりしていないか?
家族というシステムが一部の力の強い存在によって、機能不全を起こしていないかを客観的に見てほしいと考えています。
機能不全家族の特徴② 『別の自分にならなければいけない』状態にある
- 親の期待通りの生き方や考え方から外れることが許されなかった
- いつもいい子でいなければいけなかった
- 欲しいものがあっても「どうせ反対される」と思ってずっと諦めてきた
(ご相談者の声より)
このようなことが起こりがちなのも、機能不全家族の特徴です。
アダルトチルドレン(AC)の特徴として、ケアテイカー・マスコット(ピエロ)・ヒーロー・スケープゴート・ロストワンなどが挙げられますが、それぞれのタイプは「機能不全家族の中で生き抜くために、別の自分(役割)を演じなければならなかった状態」であることを指しています。
親が「いい子」を期待しすぎたがゆえに「子供でいられないまま大人になった」のではなかったか?
「いつも親の言うことをよく聞くいい子」も、当の本人は「言うことを聞かないとつらい目に会う」「逆らうとこの家に置いてもらえない」などと考えているかも知れません。
機能不全家族の特徴③家族の誰かがいつも特定の役割につかされている
AC大阪では、機能不全家族における家族の役割を4種類に分けています。
4つの役割とは【脅迫者】【尋問者】【被害者】【傍観者】です。
- いつも私が悪者にされた。私の言い分は聞いてもらえなかった
- 「思ったことを正直に言え」と言われたので勇気を出して正直に言ったらその後ずっとバカ呼ばわりされた
- 弟ばかり可愛がって、自分はいつもできそこない扱いだった。大人になって親に訴えたら「公平に育てた」ととぼけられた
- 姉がずっと叱られているのを見て、自分も口ごたえしたら同じ目に会うと思った
- 親に何か言っても無駄だ、言うだけ損だ、と思って生きてきた
(ご相談者の声より)
家族の誰かが言葉や暴力で相手を押さえつけようとする場合、押さえつける側は【脅迫者】または【尋問者】、押さえつけられる側は【被害者】【傍観者】の役割についている、と考えます。
それがいつも同じ役割につかされて、そこから抜け出ることが許されない(つまりいつも被害者、いつも傍観者、などの場合)、何らかの機能不全状態である、と考えられるのです。
ずっと子供が親から虐待を受けていた場合、子供時代は常に被害者だった人が、大人になってから突然家庭内暴力で今までやられていた側に返したり、新しい家庭を持ってから、相手に虐待行為をしてしまう場合も少なくありません。
もちろん子供が気に病んでいる場合もあれば、全く気にしていない場合もあります。
ですが、何らかの理由でそこに暮らす家族の誰かがストレスを受けている場合は、機能不全家族の状態である、と言うことになります。
機能不全家族の問題が長期化する理由
機能不全家族の問題がなぜ家庭内で長期化し、重篤化していくか―。それは
- コントロールやストレスを与えている側が問題に気付きにくく
- 与えられている側はただひたすら絶えている(または一方的な悪者になっている)
から、だと言えます。
例えばお子さんが引きこもりや不登校になってご相談に来られる親御さんにカウンセリングを行う場合
「問題なくうまく行ってると思っていた」
「実は私の子供時代はもっと過酷だった。だからこれで優しいと思っていた」
「まさか子供が(見せる姿とは)正反対のことを思ってただなんて」
と言われます。
自分自身が親の立場となり、子供を思うように育てることができるようになった段階で、親御さんは何の悪気もなく、子どもたちを無意識にコントロールしてしまう(都合の良い状態に導く)ことがあります。
でも。このページをお読みのあなたはきっと「今までうまく行っていたのに急に問題が発生して慌てている」か、逆に「今までずっと我慢してきたけれど、身体が思うように動かなくなってしまった」経験から【機能不全家族】という言葉で検索されてきた方のはず。
機能不全家族の問題は適切な手順を踏んでいけば克服できます。
気付いて手放すのに早いも遅いもありません。気付いたところから始めればいいのです。
機能不全家族から抜け出すために必要な3つのステップ
機能不全家族の状態から抜け出すためにはまず
「家族間に何らかのコントロールがあったのかどうか」を再認識し、
「不要なコントロールは手放す」決意をする、ということが大切。
そのために【コントロールから解放するためのワーク】を行っていきます。
機能不全家族から抜け出す方法①「自分が悪い」ままで終わった過去を修正する
コントロールを受けていた側は「自分が悪い」と思わされたままに生きがち。
なぜなら、自分より強くて立派で、愛を持って育ててくれているはずの存在が「オマエが悪い」と繰り返し言ったから。
(実際に言われたことはなくても、態度や行動で示されて思い込んでしまう場合があります)
まずはそれが「勘違い」であったことを確認しながら、ゆっくりと解放を繰り返していきます。
基本的には1度のセッションで「自分が悪い」という思い込みを解除していくことができますが、「激しい虐待にあっていた」「消えたいと思ってしまう」などの状態になっている等、「自分が悪い」と思わされ続けた期間や深さによってはここで複数回のセッションが必要になる場合もあります。
この過去を書き換えるワークを行うことで、
「いつまでもコントロールを受け続けなくてもいい」ことを理解し「自分が間違ってる(悪い)と思うクセが手放せるようになる」という流れを作ることができるようになっていきます。
機能不全家族から抜け出す方法② 生きづらさを解放する・自分に許可できる自分になる
機能不全家族で育った人は、いつも自分を許可する(ゆるす)ことができずに、常に生きづらさを感じがち。
自分に許可を与えることができない、というのは例えばこういうことです。
- 存在してはいけないんじゃないか
- 口ごたえしてはいけない
- 自分は油断すると攻撃される(気を許してはいけない)
- すぐに理解したフリをしないと怒られる(わからない顔をしてはいけない)
- わがままを言ってはいけない
- 信じてはいけない
- 自分には◯◯は似合わない
- 自分は美しくない。汚い。ずるい。いい性格だと思ってはいけない
- 気を許すと自堕落になってしまう。贅沢になってしまう。欲しいものを買ってはならない
これらはご相談者がご相談されたときに言われた言葉の一部です。
多分無意識のうちに数十個~数百個もの生きづらい「否定や禁止」が埋め込まれていると感じています。
セッション中に「今まで禁じてたことをゆるめ」「自分に許可を出せるようになる」ワークを一緒に行っていきます。
コツを身に着けてから、実生活で「自分を許すこと」を体験していただき、生きづらい思いを軽くする取り組みを行います。
機能不全家族から抜け出す方法③ 無意識下の【支配】から抜け出す
機能不全家族の中で育つと、大人になって親元を離れて暮らすようになってからも、常に親から与えられた価値観や考え方に苦しみ、楽に生きられない方が多いようです。
部屋にいても。買い物に行っても。友人と接していても。親が与えた価値観(判断基準)から抜け出すことができない。
だから、親に言われたような生活をし、親が選ぶようなものを買い、親が文句を言わないような人と付き合ってしまう。
それはいくら距離が離れても、連絡を断っていても、たとえ親が他界されていたとしても、いつまでも支配が続いていくのです。
これは、嫌だ嫌だと思いながらも、親との関係性がすでに【共依存(きょういぞん)】の関係になってしまっていて、その執着(アタッチメント)から抜け出られないようになっているから。
AC克服カウンセリングでは、この親子間の共依存の問題をクリアにするワークを行うことで「自分自身の価値観(アイデンティティ)を大切にして生きる」ことができるようにワークを行っていきます。
機能不全家族の問題解決には専門家のカウンセリングが効果的です
機能不全家族とアダルトチルドレンの問題は切っても切れない関係。
機能不全家族から卒業して、自分らしく生きていくためには、今どのようなシステムが家庭内に存在していて、それをどうやったら克服できるのかを理解し、できるところから実践していくことが肝心です。
機能不全家族を克服するために、ACカウンセリングを選択される方が増えています。
生きづらさを感じたお子さんが自分が貯めたお小遣いやバイト料を持ってアダルトチルドレンカウンセリングを受けに大阪のカウンセリングルームに来られる場合もあります。
親御さんがご自分のお子さまのことを気に病んで、悩みに悩んで来られることもあります。
どのような場合でも、必ず出口はある。そう思っています。
ご相談に来られたお子さんはカウンセリング終了後には
「もう親のせいにするのはやめます。これからは自分の生き方を探します」とおっしゃいます。
そして、このページでは書ききれませんでしたが、機能不全家族の状態に悩む親御さんがご自分の意思でカウンセリングを受けられる場合もあります。ご相談に来られた親御さんはカウンセリングを進めていくうちに、口をそろえてこうおっしゃいます。
「子供が生きているだけで有り難い。どんな子供でも全部受け入れます」と。
(もちろん私がコントロールして言わせるように仕向けるようなことはしません。今までの人生を振り返り、ゆっくりと対話を続けることで、ご本人がご自分の意志で新しい生き方(アイデンティティ)を確立されていくのです)
機能不全家族についてのご相談、お悩み克服なら専門のカウンセラーにご相談ください
「私も機能不全家族に育っていたことに気づけた。克服の方法を知りたい」
「機能不全家族について相談したい。私の話を聞いてもらえるところを探してた」
「機能不全家族だとは認めたくなかった…でもこれからは自分の人生を大切にしたいんです!」
こんな訴えを日々お伺いしています。
機能不全家族の問題をこの世から無くしたい。
アダルトチルドレンに悩み、苦しんでいる方をひとりでも克服に導きたい。
そんな想いで日々カウンセリングを続けています。
もし、ここまでお読みいただいて、アダルトチルドレン克服カウンセリングを受けることで、機能不全家族からの脱出を考えておられる方は、カウンセリング申込のページからお申込ください。
関連する記事