【毒親】イネイブラーが家と心を壊していく
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毒親克服カウンセリングを受けられている、大阪市のOさんよりいただいたお便りを紹介します。
吉野先生こんにちは
先日もありがとうございました。
あれから、また父とトラブルになりました。
ここ数年、父の自営業の確定申告を母から私が引き継いでいました。
先日、母が
「O子が持ってるうちの通帳全部
コピーして見せて欲しい」 と言うので言われた通りにすると
「
使途不明金がある、O子夫婦が横領している」と、 母が父に言った様で、私達が泥棒扱いです。
引き出したお金は何の
支払いか全て通帳に書いているのに、です。 こんな事言いたくないですが、無償で今まで親の為に動き、無償で
確定申告の準備、税理士さんへの相談、申告をしてきました。 こうなることはわかってはいましたが、心身を
削って色んな事を犠牲にして両親の為に動いてきた事が、再びズタ ズタな気持ちにさせられました。 こうやって書いていると奥歯を噛み締めている事に気づきました。
再び怒りがこみ上げてきました。書き終わったら怒りを出します。
あんな人達にこうして心振り回されるのがとても勿体ないです。「またゆーてるわ」とあしらえるようになりたいです。 ●●日、笑顔でお会いできますように。
よろしくお願いします。大阪市:0さん(30代主婦)
Oさん、お便りありがとうございました。
常に家庭内にトラブルを生み出す存在
■今回、Oさんをカウンセリングしているうちに
「我が家ではいつもこういうことが繰り返されていた」
ということが見えてきました。
つまり、良かれと思って精一杯手伝っていると
いつの間にか家族の誰かが悪者になって犯人扱いされ
やればやるほどバカを見た、という出来事が
物心ついてから今までずっと繰り返されてきた、というのです。
Oさんは
「うちの父がいつも怒鳴って、家がめちゃめちゃになるんです」
「父の存在をどうにかしないと、安心して生きていけない」
とおっしゃられていたのですが…。
私には別の問題が見えてきたのです。
それが、
「いつも父にあることないことを告げ口して、焚きつける存在」
「父を簡単に信じ込ませ、自分以外の家族を窮地に立たせる存在」
が、この家には存在している、という問題です。
イネイブラーが常に問題を【作り上げる】
■ぱっと見だけで判断すると、常に子どもたちに怒鳴り散らす父親が
すごくひどくて悪い存在に見えるのですけれど、
実際、その父を好き放題にさせ
ことあるごとに悪口や告げ口を「大げさに盛って」父に伝え、怒らせ、怒鳴らせ、
そうやってトラブルが起きたあとで「やっぱり私じゃないと」と入り込んでくる存在。
そんな存在がOさんのご家庭には居たのです。
■こういう
- 誰か(主に依存者)の面倒を甲斐甲斐しく行い
- 依存行動を冗長させ
- 問題を起こさせては
- 尻ぬぐいに回って
- 自分が必要であり、けなげに尽くす人である、と周囲に受け止められたがる人
のことを
イネイブラー
と言います。
■イネイブラーは、依存行動をする人を助け、
自立につながる行動を妨げては、問題を大きくしていきます。
そして、その問題を手際よく処理していくので
「あの人エラいわね〜」「けなげな方ね〜」「かわいそうね〜」
と言ってもらえるのです。
ここに少なからず「快」を感じてしまうので
さらに依存する人を助け、問題を起こさせては
「やっぱり私がいないと…」とアピールし続けます。
イネイブラーの行動(例)
■例えば、
アルコール依存症のご主人をけなげに支える妻のように
「酒や酒や!酒もってこい!」
「もうあなた…やめてください…。今日はもう「これで最後にしてくださいね」」
というふうに、
アルコール依存傾向のご主人をイネイブリングし、
(やめて、と言いながらももう1本飲ませるという冗長行為を行い)
結果的に、ご主人のアルコール依存を悪化させていくのです。
さらに。
外で飲んで暴れてトラブルを起こすと飛んで行って(本人の代わりに)謝って許してもらったり
お金が足りないとトラブルになると、代わりに払いに行ったり
「どうしてあんな人と一緒にいるの?」と言われても
「そばに私がついてなければ、あの人何もできひん人やから」
などと、
けなげに尽くし、不幸にも耐える人
を演出し続けます。
(以前この記事でも書きましたが、昭和の時代には
こういう奥さんが賛美されていたのです)
イネイブラーの子がAC化している
■今、アダルトチルドレンが生まれる背景に対する見識は
- 依存症の親から生まれた子
という認識から
- 家庭内にイネイブラーの親がいる子
という風に変わってきています。
■アダルトチルドレンの特徴を持つ方の親御さんは
まず間違いなくイネイブラーの気質を持つ方です。
昭和の時代には「美談」として語られていた
甲斐甲斐しく尽くす存在は。
今や、
- 依存者を悪化させ
- アダルトチルドレンを生み出してしまい
- 家庭を崩壊させていく
という存在とみられるように変わってきています。
そして。今回お便りくださったOさんの母親も。
癇癪持ちの父を支え、冗長させ、
子どもたちや親族の誰かを悪者にしては、父に怒鳴らせ、
尻拭いしたあとで、
今度は父の悪口を子ども達に(盛って)伝えて、
子どもたちに父親を嫌わせる
ということを常態的に行ってきた人、だったのです。
イネイブリングがあまりにひどいと「代理ミュンヒハウゼン症候群」にまで発展しかねない
■イネイブラーが行う行為(イネイブリング)があまりにひどいと
誰かに「けなげな奥さんね」と言って欲しい気持ちが行き過ぎて
とんでもない行動を起こしたりします。
以前もニュースになったりしましたが
- 3人の子どもの点滴に水道水を混入し、死傷させてしまった母親
- アレルギーの出る食品を食事に混入し、アナフィラキシー反応を起こさせ続けた母
- 幼い子にインスリンを投与し、低血糖状態にした母
などの「事件」にまで発展する場合もあるのです。
このような状態にまでなると
【代理ミュンヒハウゼン症候群】という病名がついてしまいます。
(自分で薬品等を服用して、自らの体調を崩し、他者に注目し続けてもらおうという病気を「ミュンヒハウゼン症候群」
自分はイネイブリングにまわり、自分以外の他者を命の危機に晒す病気を「代理ミュンヒハウゼン症候群」と言います。
代理がつかないと自分自身、代理がつくと自分以外を代理にして、という風に考えます)
■実際、今回のご相談のケースは、
代理ミュンヒハウゼン症候群の症例ではありませんが、
残念ながらこの親御さんは、今後もこのような
「誰かを悪者にしてしまう」
行為を続ける可能性が高いです。
今まで、このOさんは
「ひどいのはお父さん」
「かわいそうなのはお母さん」
「お母さんをこれ以上不幸にしないためにも私が助けないと」
と思い続けていたのですが、実際はそうではなかったことに気付かれました。
ここからは
「お母さんが話を盛って(他者に)伝えていると理解する」
「誰かが怒ってきたときは「そのリソース(話の出元)は誰か」を確認し、何が起こっているかを解説していく」
「その手はもう通じないことを、言葉や態度でじっくり伝え続ける」
という【防衛手段】を身に着け、必要以上に傷つかないようにしていくことになります。
■もちろん心理的な問題克服も行うのですが、
せっかくカウンセリングで元気になったとしても
またこうやってイネイブラーから傷つけられるような
ことになったら本末転倒です。
心の問題解決には、
何が起こっていたかの【背景を理解】し
その背景に則した【防衛手段を身に着け】
実生活で【使いこなしていけるよう支援】
していくことも大事なのです。
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