HSP関連本を心理カウンセラーがレビュー【過敏で傷つきやすい人たち】
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心理カウンセラーの吉野です。
HSP(Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン))関連の本を10冊程度読んでみて、
私の独断と偏見でレビューしていこうという企画。5冊目です。
※今回、月額980円で読み放題の Kindle unlimitedがかなり役立ちました。
私自身、結構本は購入するタイプなのですが、それでもなかなか踏ん切りのつかなかった本がサクサクっと入手できました。
(まるで図書館で10冊程度まとめ借りしたようなノリで、様々な本を入手できたのもKindle unlimitedのおかげです)
まずは本で情報を得たい方にオススメ。初月30日間無料です。
※私はHSPなのかな?と思った方に必ず一度目を通していただきたいことについて
別の記事にまとめさせていただきました。
まだお読みでないという方はぜひこちらもお読みください。
今回読んだHSP本:過敏で傷つきやすい人たち
今回読んだ本はこちら。
過敏で傷つきやすい人たち~HSPの真実と克服への道~ 岡田尊司著
日本の精神科医:岡田尊司氏のHSP本
私(HSPやACカウンセリングを行っている吉野)自身、岡田尊司先生の本は結構読んでいます。
岡田先生は今回のHSP本や、毒親、愛着障害系という
「ぶっちゃけ、精神科医があまり触れたがらない内容」
について、積極的に向き合い、研究発表を続けておられる方で、以前より尊敬している方。
今回、HSP本レビューを楽しみにしていた1冊でした。
【画期的】HSPは「先天的」よりも「環境的要因」であることを示した本
この本。
他のHSP本と立ち位置が明確に分かれているのが
HSPは「先天的」なものもあるが、ほとんどは「環境的要因(育った環境・親の教え・愛着問題)」によるところが大きいことに言及した点です。
過敏で傷つきやすい人たちにはこんな風に書かれています。
フィンランドで行われた双生児研究所によって算出された、音への過敏性の遺伝率は36%だった
そして
この結果が正しいとすると(HSPは)
生まれ持った要因よりも、後天的な環境要因がずっと大きいということになる
と書かれているのです。
過去の記事「HSPを疑う前に」でも書いたのですが、
HSPは先天的(生まれ持っての)過敏性という場合もあるけれど(36%)
生まれ育った家庭環境(後天的環境要因)によってHSP化した方が可能性が高い(64%)
ということになるのです。
もちろん、先天的なもの+後天的環境要因、という場合もあるでしょうし、
このフィンランドの研究ひとつで、それが絶対のように語ることはできませんが、
HSPの克服のためには
「生まれ持ったものだからしょうがない」
ということだけで諦めてしまうのではなく、
「カウンセリング等を上手く利用して、これからの生き方を工夫していけば、生きづらさが軽減されるかも知れない」
という光明を指し示しているところが画期的だと感じています。
HSPカウンセラーの吉野が共感し、難解な本でありながらも是非(本気で後天的環境要因HSPのことを知りたい方に)読んでほしい1冊です。
HSP(感覚過敏性)が精神疾患につながることも示唆
また、HSPの原因が
- 不健全な親子関係
- 愛着障害
である可能性を示唆しつつ、さらに
あまり不健全な状態で放置すると
- うつ病や躁病
- 統合失調症
- 自閉スペクトラム症(感覚統合仮説)
等にまで発展しかねない、というところまで言及されています。
ここまで踏み込んで書かれているHSP本は(今のところ)他では見当たりません。
そういった意味では、独自性の高い本であると感じています。
ただ、かなり難解(岡田本の読み方伝授します!)
過敏で傷つきやすい人たちは、正直、
読んで理解するのにコツがいります。
というか、岡田先生の本にはある特定のパターンがあって、それを上手く理解しないと、難解なまま最後まで読めずに終わってしまいがちなのです。
今回、ちょっとだけ私(心理カウンセラーの吉野)が行っている
「岡田本の読み方」をお伝えします。
コツ① 前半に出てくる『理論』を書き出しておく
岡田尊司さんの特徴として、私が今まで読んできた中で感じるのが
「前半で説明した理論が、最後の方まで延々続く」
ということ。
今回、過敏で傷つきやすい人たちの中で紹介されたのが
カタナ・ブラウンとウィニー・ダンが作成した
「感覚プロファイル」
というもの。
ここで、4つのマトリクスが説明してあって、それぞれの特徴を書いてあるのですが、
これをいい加減に読み飛ばすと、もうワケがわからなくなります。
しかも図解ではなく、文章でこのように説明してあります。
神経学的な閾値を縦軸に、行動反応・自己調節を横軸にして、それぞれが高いか低いかによって、4つのグループに分類されます。
つまりこれを読み、自分でメモやノートを4分割して書き込んでいかないと、ワケがわからなくなっていきます。
そしてさらに説明が続きます。
この2つの軸によって、刺激に対して閾値が高く、弱い刺激では反応せず、かつ能動的な反応を示すものを「感覚探求」、
刺激に対して閾値が高く、かつ受動的な反応を示すものを「低登録」、
刺激に対する閾値が低く、鋭敏で、かつ能動的な反応を示すものを「感覚回避」、
刺激に対する閾値が低く、かつ受動的な反応を示すものを「感覚過敏」と分類する
これを実際のマトリクスに書き込むのです。
コツ② メモを本の隣に置いて、チラチラ見ながら読み進める
こんな風に書いたメモを、常に本書の横に置いて読み進めて行きます。
私自身、このメモを何度も見ながら読み進めたおかげで、理解が深まりました。
この本は、その後
「感覚探求」「低登録」「感覚回避」「感覚過敏」のタイプ説明を中心としながら、陥りやすいパターンなどについての記述が続きます。
岡田本は、最初の段階で迷子になってしまうと、その先がどんどんわからなくなるので注意です。
さらに、別の本で引用された分類「ストレンジ・シチュエーションテスト」まで登場してくる
さらにこの本の終盤には、別の本『愛着障害~子ども時代を引きずる人々~』で紹介された理論がバンバン引用されはじめます。
(いきなり「安定型」「不安定型」「両価型」「無秩序型」とか言われてもわからんよね(笑)こういうのが随所に出てくるのです)
なので、結構心理系に詳しい人が読むには(いろんな意味で)良い刺激になると思いますが、最初に手にとったHSP本がこれだと、苦労されることになるかも知れません。。。
HSPのことを独自の視点で語られた本。真剣に学びたい人向き
この本は、難解な部分もありながらも
後天的環境要因でHSP的な様相を呈してしまっている方の
光となる可能性を秘めた本だと思っています。
私自身、何度も読み直して、今後のHSPカウンセリングに役立てたいと考えています。
「自分も読んでみたい」と思われた方は、是非大きめの紙を数枚用意して、書きながら読み進めてみてくださいね♪
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「HSP(Highly sensitive person)ってなに?」
「この記事を書いているカウンセラー(吉野)はHSPのことをどう考えてるの?」
「HSPの対処法を知りたい」
という方はこの関連記事もお読みください。
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