クリティカルペアレントとは|批判と否定で育った子の心に何が残る?
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「そんなこともできないの?」
「どうしてあなたはいつもそうなの…」
「もっとしっかりしてよ…」
怒鳴られたわけではない。
暴力を振るわれたわけでもない。
でも、親がいつもイライラした顔をして、私や私以外の家族の誰かを叱ったり、愚痴る言葉を毎日のように聞かされながら育った。
そして。
大人になった今、誰かに何かを指摘されるたびに体が固まる。
ミスをすると反省より先に「やっぱり自分はダメだ」という声が出てくる。
褒められても素直に喜べない。
でも、しんどいのは私が悪いだけ。
別に虐待されて育ったわけじゃないんだから「家庭環境のせい」にするのは甘えてると思う。
…そもそもこの記事の書き出しは何?
これじゃぁまるで「あなたの生きづらさは親のせいですよ」と言ってるようなものじゃない?
そんなのは甘え。他責思考はいけないことだ、人のせいにするな、というのが当たり前でしょ?
この記事を書いてる人は一体何を考えてるの?
こんな風に考えながらも、どうしてもこの記事が気になって読み始めてしまった方もおられるかも知れませんね。
でも。それでも言います。
あなたがしんどいのはあなたのせいではないのです。
カウンセリングの現場で、年間のべ1,000名を超える方のお話を伺ってきて見えてきたのは
たとえ暴力を振るわれてなかったとしても、あなたを含む家族の誰かが我慢していた時期があるなら。
あなたの心の中に「あなたを厳しく戒める声」が聞こえてしまうことがあるのです。
その声の出どころが「クリティカルペアレント」です。
この記事では、クリティカルペアレントとは何か、どのように子どもの心に影響を残すのか、そしてその声にどう向き合えばいいのかをお伝えします。
クリティカルペアレントとは何か
批判・否定・禁止で子どもに接する親
クリティカルペアレントとは、批判・否定・禁止の言葉や態度で子どもに接する親のことです。
たとえば、子どもがコップの牛乳を誤ってこぼしてしまったとき。
「あー!もう!どうしてこぼすの!」「もっとちゃんと飲めないの?」「そんなとこに置いとくからダメなんでしょ?」「お兄ちゃんはそんなことしなかったのに」「もう…洗うの大変なんだから」「どうしてあなたはいつもいつも…!」
(ここまで読んで気分が悪くなってしまった方がいたらごめんなさいm(_ _)m)
こういった言葉(もしくはそう思ってることを受け取らせる態度)を日常的に繰り返す親がクリティカルペアレントです。
親そっくりの言葉を心の中で繰り返し再生する
交流分析という心理学では、人の心の中に「親(P)・大人(A)・子ども(C)」という3つの側面があると考えられています。

その「親(P)」の部分のうち、批判的・支配的に機能するものをクリティカルペアレントと呼びます。
つまり。
あなたの親がクリティカルペアレントだったなら。
あなたの心の中のインナーペアレントも(必然的に)クリティカルペアレントになってしまうのです。
(ややこしく感じるかも知れませんが大事なところなので、この部分は2度読んでくださることをお勧めします)
「そんなこともできないの」「なんでいつもそうなの」「泣くな」「甘えるな」「もっとちゃんとしなさい」「人のせいにするな」「あなたが悪いんでしょ」「謝りなさい」「それで反省してるの?」
こうした言葉が日常的に繰り返される環境で育つと、子どもは最初は「愛されるため」「捨てられないため」に親の言葉を覚え、もう二度と言われないようちゃんと守ろうとします。(これを『人格適応』と呼んでいます)
そして、ずっと自分の人格を親に合わせるうちに、やがて上記のような批判的な声を「自分の内なる声」として取り込んでいきます。
外から言われていたものが、いつの間にか「自分の中から聞こえる声」になっていく。
それがインナーペアレントのクリティカルペアレント化です。
「怒鳴らない親」でも十分クリティカルペアレントになりえる
クリティカルペアレントと聞いて「うちの親はそこまで怖くなかった」と感じた方もいるかもしれません。
だって「暴力は振るわなかったし」「ご飯も食べさせてもらえたし」「他にもっとひどい家庭はたくさんある」って言われたし…。
でも、クリティカルペアレントは怒鳴る親だけではありません。
静かな口調でも「あなたはいつも詰めが甘い」と繰り返す親。
長〜い溜め息をつきながらあきれた顔で「またやったの?」と言う親。
褒めることはないが、できていないことだけは必ず指摘する親。
声を荒げなくても、日常の中で批判と否定が繰り返されるとき、その状態が「クリティカル」なのです。
むしろ静かな批判の方が、子どもには「これが普通だ」「失敗する自分が悪い」と刷り込まれやすく、後から気づくことが難しくなります。
クリティカルペアレントが生まれる背景
親自身も同じ声を受けて育っている
クリティカルペアレントの親は多くの場合、自身も同じように育てられています。
(あなたの親も、あなたから見ておじいちゃんやおばあちゃんからクリティカルに育てられた可能性が非常に高い)
批判・否定・禁止の言葉を受けながら育ち、それが「子育てとはこういうものだ」という信念になっている。
そして自分の中にクリティカルなインナーペアレントを持ったまま、その声をそのまま子どもへと向けだす。
「しつけのためにやっている」という意識すらない場合も多く、
(自分もそうやって育てられたんだから)「当たり前のことだ」「他にどういう育て方をしろというの?」と思い込んでいるため、ただ自分がされてきたことを無意識に自分の子どもに引き継いでしまう。そういうケースがほとんどです。
「しつけのつもり」が傷になる理由
「厳しくしているのは、この子のためだ」
クリティカルペアレントの親が持ちやすい考え方です。
批判や否定は「愛」だと思っている。だから悪くない、と。
でも申し訳ありませんが、子どもにとっては、ただの「脅し」でしかありません。
何度も繰り返される批判の言葉は、「自分はダメな存在だ」「自分には価値がない」という信念として刻み込まれていきます。
親の意図がどうであれ、子どもの心に残るのは自己否定感だけです。
ちなみに。
虐待行為をはたらいて、児童相談所に通報された親御さんが相談員に言う言葉でほぼ間違いなく出るのは
「虐待なんかじゃない。しつけだ。愛してるからやるんだ」
と言われています。
子どもの頃「そう言われて育ちました」という方がたくさん当カウンセリングにお越しになります。
「愛されてたと思いますか」と聞いたら、みなさん顔をしかめます。
その姿を見てきた私には、とても「しつけ」や「愛」という言葉では片付けられません。
クリティカルペアレントが子どもの心に残すもの
ミスをした瞬間、なぜか「やっぱり自分はダメだ」と思ってしまう
Mさん(30代女性)は「職場での自己嫌悪が止まらない」とカウンセリングに来られました。
少し話を聞いていくと、Mさんには気になるパターンがありました。
何か小さなミスをするたびに「やっぱり自分はダメだ」という結論に一瞬で飛ぶのです。
ミスの内容を振り返るより先に、自分自身の存在の否定が来る。
「子どもの頃、親にどんな言葉をかけられることが多かったですか」
そう聞くと、Mさんはしばらく黙ってから言いました。
「『そんなこともできないの』『あなたはいつもそう』という言葉をよく言われていました。
成績が悪いときだけじゃなくて、普通のことでも。
洗い物が雑だとか、片付けの仕方が悪いとか。
別に怒鳴ったりはしないんですけど、何かあるたびにそういう言い方をされて」
行動を指摘するだけでなく、「あなたはいつもそう」という言い方で人格ごと否定する。
それが日常的に繰り返されていたそうです。
毎日のように繰り返されたその言葉が、やがてMさんの中で「自分を否定する声」として受け継がれていきました。
大人になった今も、何かあるたびに「やっぱり自分はダメだ」という声が自動的に起動する。
「これは親の声だったんですね」
このしくみに気づいたとき、Mさんはしばらく何も言わずに黙っていました。
感情が湧いたとき、すぐに「こんなことで」と打ち消してしまう
クリティカルペアレントの声が強い方に多いのが、感情を感じようとした瞬間に打ち消してしまうパターンです。
悲しいと感じた瞬間に「こんなことで悲しんでどうする」。
腹が立った瞬間に「怒るのは大人げない」。
嬉しいと感じた瞬間でさえ「調子に乗るな」「真に受けるなんて恥ずかしい」という声が出てくる。
感情そのものへの『禁止令』が、クリティカルペアレントの声として刻み込まれているのです。
自分の感情がわからない、感情が薄い、何を感じているのかよくわからない—そういった感覚を持つ方の多くに、このパターンが見られます。
褒められるほど、不安になる
クリティカルペアレントの影響として見落とされやすいのが「褒められると不安になる」という反応です。
誰かに「よくできましたね」と言われた瞬間、喜びより先に
「次は失敗するかもしれない」
「本当にそう思っているのだろうか」
「喜ばせておいて直後に否定してくるのではないか」
という不安(疑い)が出てくる。
クリティカルペアレントの環境で育った子どもにとって、褒められることは「次の批判の前触れ」である場合が多かったからです。
「今回は良かったけど、前のあれは何?もう二度とあんな恥ずかしいことしないでね」
「おめでとう。でも調子に乗っちゃダメよ。「勝って兜の緒をしめよ」って言うでしょ?」
あれ?褒められたはずなのに、いつの間にか怒られてる。批判されてしまう。
良い評価が続かないことを身体が覚え込んでしまっている。
だから褒められるほど、緊張が高まる。
こういうことが少なくないのです。
前出のMさんはカウンセリングを続ける中で、
「やっぱり自分はダメだ」
という声が出てきたとき、少しずつ「これは親の声だ」と気づけるようになっていきました。
気づくだけで、今はもう受け入れる必要がないことに少しずつ気づき始める。
それがMさんにとっての生きづらさ克服の始まりでした。
クリティカルペアレントの声はこんな言葉で現れる
インナーペアレントとして残ったクリティカルペアレントの声は、大きく3つのパターンに分けられます。
自分の内側にどんな声があるか、確認してみてください。
禁止型の声|「〜してはいけない」
「泣いてはいけない」「怒ってはいけない」「甘えてはいけない」「弱音を吐いてはいけない」
感情や欲求を直接禁じてくる声です。このパターンが強い方は、感情が湧いた瞬間に「感じてはいけない」という命令が同時に起動します。結果として、自分が今何を感じているかさえわからなくなっていることがあります。
評価・比較型の声|「あなたはいつも〜」
「あなたはいつも詰めが甘い」
「お兄ちゃんはできるのに」
「どうしてあなたはそうなの」
行動ではなく人格ごと評価・比較してくる声です。
このパターンが強い方は、何かあるたびに「自分はダメな人間だ」という結論に直結しやすくなります。
ミスの反省ではなく、存在の否定として受け取ってしまうのです。
条件付き承認型の声|「ちゃんとできたら〜」
「いい点を取ったら褒めてあげる」
「ちゃんとできたら認めてあげる」
「言うことを聞くあなたはかわいい」
「さすがお姉ちゃん。我慢できて偉いね」
愛情や承認に条件をつけてくる声です。
このパターンが強い方は、何かを達成しないと自分の存在価値が保てないという感覚が慢性的にあります。
完璧主義の傾向が強い上に、休むことへの罪悪感も強く、頑張り続けることをやめられません。
クリティカルペアレントの声に気づくとき、何かが変わり始める
クリティカルペアレントの声への最初のアプローチは、難しいことではありません。
自分を責める声が出てきたとき「これは本当に自分の考えか」と一度立ち止まること。
「やっぱり自分はダメだ」という声が出てきたとき
「…待って? これは誰の言葉なんだろう?」
と問いかけてみて欲しいのです。
あなたの頭に出てきた声だから「私の声です」と思うのは早計すぎです。
あなたがこれ以上傷つかないよう覚え込まされた「養育者の声だった(のかも)」と俯瞰して気づくことが大切です。
「自分の性格だと思っていた部分が、実は環境に適応させられたものだった」
とわかったとき、
「じゃあ本当の自分はどう感じているのか」
という問いを、初めて立てられるようになります。
ただこの作業は、ひとりで進めることに限界があります。
長年「自分の声」として機能してきたものに気づくためには、第三者からの視点が大切です。
当カウンセリングでは、あなたの心の中で声を張り上げているクリティカルペアレントの声がどこから来ているのかを一緒に丁寧に見ていきます。
そして、その声から解放されていく方法を共に考えていきます。
「自分を責めることが止まらない」「感情がよくわからない」という方はぜひ一度ご相談ください。
まず一歩、あなたのことを話してみることから始めてみませんか。
まとめ
クリティカルペアレントとは、批判・否定・禁止の言葉で子どもに接する親のことです。
怒鳴る親だけでなく、静かな口調で繰り返し否定する親もこのタイプにあたります。
その言葉は子どもの心に「自分はダメだ」「感じてはいけない」「認められるには条件がある」という信念として刻み込まれ、大人になった今も内なる声として響き続けます。
親には恐怖心があったかもしれない。でも、だからといってあなたの傷がなかったことにはならない。
「これは親の声だ」と気づくことが、まず最初の一歩です。
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