ヘリコプターペアレントとは|「優しい親」が生きづらさをつくる理由
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何かを決めようとすると、体が固まる。
「間違えたらどうしよう」という恐怖が先に来て、動けなくなる。
自分がどうしたいのか、そもそもよくわからない。
なんで自分はこんなにダメな性格になってしまったんだろう…?
こんな風に悩んだことはありませんか?
実は、これは意志が弱いのでも、優柔不断な性格だから悪い、という訳でもありません。
上記のような悩みは
「自分で考えて決める」という体験
を、十分に積めなかった結果として現れるものです。
自分で選べない、決められない、という背景には、
ヘリコプターペアレントという存在が隠れていることが、最近の研究結果で明らかになってきているのです。
ヘリコプターペアレントとは何か
常に監視し、先回りする親
ヘリコプターペアレントとは、子どもへの愛情や心配から、過度に干渉・過保護になる親のことです。
欧米では「helicopter parent」として社会問題になっています。
ヘリコプターが上空でホバリングしながら対象を監視し、何か起きれば急降下して介入する。
その様子が、子どもの周りを常に旋回し、困難が生じる前に先回りして助けてしまう親の姿と重なることから名付けられました。
別の言い方をすれば「おせっかいの先回り」です。
子どもが転ぶ前に手を出す。子どもが考える前に答えを出す。子どもが失敗する前に道を変えてしまう。
悪意はありません。子どもを傷つけたくないという気持ちも理解できます。
でもその結果、子どもが自分の力で経験を積む機会が、ことごとく奪われていきます。
クリティカルペアレントとの「違い」と悲しい「共通点」
クリティカルペアレントは批判や否定の言葉で子どもを縛ります。
そしてこれを「しつけだ、愛情だ、何が悪い」と主張します。
それに対し、
ヘリコプターペアレントは不安と心配で子どもを縛ります。
そしてこれを「見守っているだけだ、愛情だ、何が悪い」と主張します。
子どもに(残念ながら健全とは言えない)干渉の仕方をするのは、主張されている意図は違うけれど
「子どものことを思って、ちゃんと育ててきたつもり」という見解は一緒、とも言えます。
こういった環境に育った子は
「否定された記憶はない」「むしろ大事にしてもらっていた」「親は「愛しているから」と言っていた。だからそれを否定するのは良くない」という思いがあるため、自分の生きづらさと親との関係を結びつけることがとても難しくなります。
たとえばー。
食べたらお腹を壊す食材(親のエゴ・不安感・イライラの感情)の上に
クリティカルペアレントの「愛だ、しつけだ」
ヘリコプターペアレントの「守ってあげてる。愛なのよ」という濃い味のソースを掛けられて、毎日それを食べさせられる。
大人になるにつれ、お腹を壊しやすい状態になって
「これは自分の胃腸が弱いからだ」
と自分を責めている。
そんな状態、と言えばわかりやすいでしょうか?

「優しかった親」なのに生きづらい
自分のせいだと思ってきた
Nさん(20代女性)は
「小さなことすら自分で決めることができない」
という悩みでカウンセリングに来られました。
仕事でも、プライベートでも、選択肢が目の前に出てくると体が固まる。
転職の話が来ても、引っ越しを考えても、誰かに相談してからでないと動けない。
先日、お付き合いしている彼から、結婚を前提にした同棲を提案されたときも
何も返事ができずに彼を困らせてしまったそうで
「自分がどうしたいか、本当にわからないんです。考えようとすると頭が真っ白になって」
「もしこのあと結婚や出産とかになっても、自分で決められそうになくて怖いんです」
と打ち明けてくださいました。
詳しくNさんの話を聞いていくと、Nさんの親はとても心配性な方で、Nさんが何かを決めようとするたびに先に口を出してくる人だったそうです。
「そっちは危ないからこっちにしなさい」
「それはうまくいかないから、こうした方がいい」
「お母さんが調べておいたから、これにしなさい」
怖い言い方ではない。怒鳴るわけでもない。
でも、Nさんが自分で考える前に、いつも答えが用意されていた。
「でも親のことは好きだし、心配してくれてたのはわかってるんです。
だから、自分で決められないのは、自分がおかしいんだと思ってた。意志が弱いんだって」
Nさんは長い間、「自分のせいだ」と思い続けてきました。
ヘリコプターペアレントによる「一択の選択肢」のワナ
「ああ、それは「一択の選択肢」ですね」
「いったくの…せんたくし?」
Nさんは最初「きょとん」とされていましたが、じっくり言葉の意味を理解できた段階で
「そうだった、かも。いや、まさにその通りでした」
と言われました。
一択の選択肢、というのは
「あなたが決めていいのよ」
と言いながらも、すでに親は答えを決めていて、それから外れたら
「う〜ん。それはちょっとどうかな。お母さんはね…」
と自分の考えに誘導する。
選択肢があるようで実は一択しか選べない。
結局、ヘリコプターペアレントに育てられた子は、
選択肢を与えられても親の望みを汲み取って、それに合わせてしまう
というクセがついてしまいます。

自分で決められないのは、意志が弱いからではありません。
「自分で考えて、決めて、その結果を引き受ける」という体験を積み重ねる機会が、ずっと奪われてきたからです。
筋肉と同じで、使わなければ育たない。ヘリコプターペアレントの環境では、その筋肉を育てる機会が慢性的に不足します。
「自分のせいだ」と思い込んでいるうちは、生きづらさの本当の原因が見えないのです。
「親のせいにしていいのか」という罪悪感がワークを止める
ヘリコプターペアレントの影響に気づき始めたとき、多くの方が強い罪悪感を感じます。
「優しくしてもらったのに」
「感謝しなければいけないのに」
「親を責めるなんて、自分はひどい人間だ」
この罪悪感が湧くこと自体は間違いではありません。
親への愛着があるからこそ生まれるのだから、自然な感覚ではあるのです。
でも、それが正しいかどうか?ということについては、一考の余地があるのかも知れません。
この罪悪感から来る判断を「正しいものだ」「間違っていない」と思うと問題克服が遠のいてしまいがち。
「親のせいにしてはいけない」という思いが強いと、自分の生きづらさの原因を直視することが難しくなります。原因がよく見えないままでは、何に向き合えばいいかもわからなくなってしまうのです。
そんな気持ちを抱えておられる方に、カウンセリングの中でよくお伝えしていることがあります。
親のことが好きなままでいいのです。
感謝する気持ちがあっていいし、それから離れることは「親を嫌う」ことではないのです。
それと同時に「あの育ち方が今の自分に影響しているかもしれない」と、少しずつ認めていくことができる。
「愛されていたかもしれないけれど、間違っていた面もあったのかもしれない。」
そういう両方の気持ちを、同時に持っていても構わないのです。
前出のNさんはカウンセリングを続ける中で、少しずつ「自分で決める」練習を積んでいきました。
最初はとても小さなことから始まりました。
ランチを自分で選ぶ。行きたい場所を自分で決める。誰かに相談する前に、まず自分がどう感じるかを確かめてみる。
半年後のセッションでNさんは、
「先週、彼に同棲したい気持ちを伝えました。親のことを思うと少し怖いけど、彼も事情を理解してくれているので、一緒に向き合ってくれることになりました」
と言ってくださいました。
その後、紆余曲折はあったものの、今では婚約して、自分が描きたい結婚生活像が想像できるようになったそうです。
ヘリコプターペアレントが子どもの心に残すもの
失敗が「恥」になってしまう
ヘリコプターペアレントの環境では、失敗は「恥ずかしいもの」「避けるべきもの」として扱われ続けます。
親が先回りして失敗を防いでくれるため、子どもは「失敗しないことが普通」という感覚で育ちます。
そして実際に失敗したとき「こんなことも避けられなかった」という強烈な恥と自責の感覚が生まれやすくなります。
失敗から学ぶのではなく、失敗を隠したくなる。
あるいは失敗しそうなことには最初から挑戦しない。
これらはすべて、失敗への極端な恐怖から来ています。
「自分はどうしたいか」がわからない
最も根深い影響が、「自分の欲求がわからない」という状態です。
何がしたいか聞かれると頭が真っ白になる。
「どっちでもいい」という言葉が口をついて出る。
実際にどっちでもいいのではなく、自分の欲求を感じることへの許可がそもそもない。
常に親が先に答えを出してきた環境では、「自分はどうしたいか」を考える必要がありませんでした。
その結果、自分の内側に欲求があること自体への感覚が、薄くなっていきます。
カウンセリングの現場でも
「前回から今回までの間はどうでしたか?」
と聞かれて固まる方も少なくありません。
「どう」という問いかけには「自分で話すことを決めて、自由に話す」選択肢を与えられています。
でもその経験が極端に少ない人にとっては「どう?」という言葉は非常に厳しい言葉なのです。
(「どう?」などという問いかけの仕方を「オープンクエスチョン(いくらでも自由に答えられる範囲の広い質問)」と言います。
これを理解しているカウンセラーは「しんどく無かったですか?」「気づきがあれば教えてください」などの、答えの方向性を指し示す「クローズドクエスチョン」に切り替えるように心がけています。ヘリコプターペアレントに育てられたお子さんへの対応は、そういう何気ない会話から注意が必要なのです)
人に頼られると断れないのに、自分は頼れない
もうひとつよく見られるパターンが、「頼られると断れないのに、自分は誰かに頼れない」という非対称性です。
人の役に立つことで自分の存在価値を感じてきた。
でも自分が困っても、助けを求めることができない。
そこには自発的に何かを言うことで「迷惑をかけてはいけない」という感覚が先に来るからです。
これもヘリコプターペアレントの影響のひとつです。
自分の欲求や困りごとを後回しにすることを、長年かけて身につけてきた結果です。
まとめ
ヘリコプターペアレントとは、愛情や心配から子どもに過干渉・過保護になる親のことです。
批判や否定をするわけではないため傷が見えにくく、「優しかった親なのに生きづらい」という混乱が生じやすくなります。
「自分で決められない」「失敗への恐怖が強い」「自分がどうしたいかわからない」—これらは性格や意志の問題ではなく、「自分で感じ、考え、決める」体験を十分に積めなかった結果として現れるものです。
「自分のせいだ」と長い間思ってきたかもしれません。でもそれは違います。
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