アダルトチルドレンはアルコール依存症の子ども?

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アダルトチルドレンはアルコール依存症の子ども?

アダルトチルドレンはアルコール依存症の子ども?

 

「アダルトチルドレンは「アルコール依存症の子」のことを言うんだよ」

こういう風に聞いた方もいるかも知れません。

 

 

「アダルトチルドレン」で検索したときに

ほぼ上位に表示されるWikipedia(ウィキペディア)にも、

 

アダルトチルドレン(英:Adult Children)とは、

親がアルコール依存症の家庭で育って成人した人

(Wikipediaより)

 

とあります。

これを読んで

「そうなんだ…じゃぁ、私は違うのか」

と思われた方。ちょっと待ってください!

 

 

今、アダルトチルドレンは「生きづらさを抱えた人」を指します

 

実はアダルトチルドレンは、約50年前に

最初は「アルコール依存症の親に育てられた子」

という意味合いから研究が始められたのは事実です。

 

でも、研究が進むうちに

「いや、ちょっと待て。アルコール依存症の親だけじゃないぞ」

となっていった訳です。

 

最初、アダルトチルドレンは

「アダルトチルドレン・オブ・アルカホリック」

(Adult Children of Alcoholics(ACOA、ACA))

と言われていました。

 

ですが今は

「アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナル・ファミリー」

(Adult Children of Dysfunctional family(ACOD))

という風に表現が変化してきています。

 

Dysfunctional familyというのは、日本語では

「機能不全家族」と訳されます。

 

Wikipediaにも

 

親や社会による虐待や家族の不仲、感情抑圧などの見られる機能不全家族で育ち、生きづらさを抱えた人。

(Wikipediaより)

 

という記載がなされています。

 

今やアダルトチルドレンは「機能不全状態の家庭の中で育った子」

という認識が大半です。

 

でも、実際の現場でアダルトチルドレン克服カウンセリングを行っている私から見ると

さらにもっと奥深くに理解しておかなければならない「定義」があるのです。

 

今回は、

  • アダルトチルドレンの定義の変遷と
  • 今知っておくべきアダルトチルドレンの新しい解釈

について、書いておこうと思っています。

 

これを読まれたことで、アダルトチルドレンに対する理解が深まり

ご自身にマッチした問題解決方法がわかるようになるはず。

 

もしこれをお読みのあなたが、少なからず生きづらさを感じておられるなら、

アダルトチルドレンの定義について、改めて理解と解釈を深めていただければ嬉しいです。

 

 

最初はアルコール依存症の親から始まった

最初はアルコール依存症の親から始まった

最初はアルコール依存症の親から始まった

 

先述の通り、アダルトチルドレンはもともとは

「アルコール依存症の親に育てられ、生きづらさを感じてしまった子」

という定義で認識されはじめました(約50年ほど前の話です)。

 

アルコールに溺れ、家を顧みずに家庭が崩壊(機能不全家族化)していく。

その家庭を支えながら、なんとかしようと思いながら、

でもそれが思い通りに行かずに傷つき、自分を責める。

 

こういう環境下で育った子が大人になってから

生きづらさを訴え始めた、というのが研究のスタートだったのです。

 

 

アルコール依存症だけじゃないぞ!?

 

アダルトチルドレンの研究が進むにつれて、

同じような生きづらさを感じる人が多数見つかるようになります。

 

ですが、親はアルコール依存症ではない場合もあり、

研究の範囲を「アルコール依存症の親」以外に広げていく必要が

指摘され始めたのです。

 

アルコール依存症だけじゃない。
ACを排出しやすい「親のアディクション」のパターン

 

アダルトチルドレンを生みやすい背景は

親がアルコール依存症を含めたさまざまな依存症状態になってしまったり、

親の極端な嗜好性(アディクション)が影響している場合が多いのです。

 

いくつか例を挙げると

 

  • ワーカホリック(仕事中毒。仕事に夢中になり、家庭を顧みない(妻や夫に家事や育児を丸投げする場合も))
  • ギャンブル依存・ゲーム依存
  • 買い物(カード)依存
  • セックス依存
  • 薬物依存・アルコール依存

 

これらの依存傾向に親がハマってしまっている場合、

ここに育った子どもは、そういう状態でもなんとか均衡(バランス)を取ろうとし始めます。

 

子ども自身が積極的に親を支えたり、家計の助けになろうとしたりしますが、

これが結果的に

  • 依存傾向の親をさらに冗長させることになったり
  • 努力の甲斐なく家庭が崩壊していったり

することで、さらに生きづらさを背負ってしまうことが多いのです。

 

そして。アダルトチルドレンになる原因はそれだけではありません。

 

 

依存症だけじゃない。親の教育方針や信念が生きづらさを生む場合も

 

上記の依存症や嗜好性だけではなく

  • 夫婦仲が悪く、いつ離婚するかわからない家庭環境
  • 虐待(身体的・心理的・性的・ネグレクト)
  • 嫁姑問題が悪化しているのに、そこに介入せず知らん顔するご主人
  • 絶対にエリートの道を進ませたい、という教育方針
  • 我が家は○○の家系だから必ずこの職業に就かせたいというこだわり
  • 「オンナは」「オトコは」「長男だから」という価値観
  • 親の不安を解消するために、異常なまでにコントロールしてしまう子育て
  • 子どもが自分の意思を持つことを許さず、自分の思い通りにいかないと罪悪感を感じさせるやり方
  • 親が親として機能しておらず、子どもが親を支えなければならなかった環境
  • 親がなんらかのコンプレックスをもっていて、子どもにそれを解消させようという場合

 

これらの子育てが行われてしまった場合、

高い確率で、お子さんはアダルトチルドレン化してしまっていく、と考えていいと思っています。

 

 

アダルトチルドレンは機能不全家族に育った「トラウマ」を抱えた子

アダルトチルドレンは機能不全家族に育った「トラウマ」を抱えた子

アダルトチルドレンは機能不全家族に育った「トラウマ」を抱えた子

 

改めて、現代のAC(アダルトチルドレン)の定義とは

「機能不全家族に育った、生きづらさ(トラウマ)を抱えた子」

「親子関係が「共依存」状態で育ってきてしまった子」

ということになります。

 

親がアルコール依存症であろうと、エリート階級を進んでいる人であろうと

親としての機能が不全状態であったり、

必要以上に親が子に依存している状態の場合、

お子さんは生きづらさを感じやすい状態になりがちです。

 

 

ではなぜ機能不全家族になった?

 

なぜ機能不全家族になってしまう(なってしまった)のか?

それは、

 

「何か問題を起こしている存在に対して

「それは違う。おかしい。間違っている」

と堂々と言うことが許されず、

そのまま我慢して対応しているうちに、

その対応を子どもにも期待してしまった」

 

という背景があると、子どもはAC化しやすいです。

 

親が親らしい役割を果たさず、

片親に丸投げしたり、場合によっては両方が親の役割を放棄し

子どもに親の役割の一部、または全部を背負わせようとして

 

「それはしょうがないことだ」

「我が家の子なんだから当たり前なんだ」

「文句言ったってどうにもならない。何も変えられない」

 

と言ったり思わせたりして育ててしまうと、

子どもは無理をしてその環境に合わせようとしてしまいます。

 

この状態こそが

機能不全家族であり、場合によっては親子が共依存関係になる、ということなのです。

 

 

共依存関係や機能不全家族を支える存在=イネイブラー

 

機能不全家族の問題は、ほとんどの場合、お父さん(ご主人)が悪者にされます。

 

もちろん、

家にお金を入れずに、ギャンブルや女遊びをする、

仕事ばかりに夢中になって家庭を顧みない、

妻や子に虐待をはたらいてしまう、

などの

「そりゃちょっとご主人に問題がありますね」

という場合もあるのですけれど…。

 

それよりも多いのが

 

母が子に父(夫)の愚痴や悪口を言って、聞かされた子が父を憎む

 

というパターンが圧倒的です。

例えば

 

  • 「わかってくれない」「協力してくれない」と子どもに愚痴る
  • 「あんな言い方をされた」と子どもに愚痴る
  • 「お金がない」「お父さんの稼ぎが悪い」と愚痴る
  • 「だから思い通りにさせてあげらなくてごめん」と謝る
  • 「ギリギリの範囲であなたを育ててるんだから(失敗しないでね・これ以上親を不幸にしないでね)」と暗黙のメッセージを送る

 

という方法で、子どもが言うことを聞いてしまう場合があります。

 

子どもは

 

  • 父を恨み、
  • 父の何気ない一言や冗談が許せず
  • 自分も父と同じようにならないように頑張ろうと思い
  • でも思うように期待に応えられない自分に罪悪感を背負い
  • それでもなんとか母を救おうとする

 

というパターンにハマってしまうことも少なくありません。

 

でもちょっと待って欲しいのです。

 

 

夫婦の問題を解決するのは夫婦…のはず

 

夫婦の問題を解決するのは夫婦の問題です。

奥さんがご主人にいくら言っても聞いてもらえないからといって、

それを子どもに愚痴って、背負わせようとするのは間違っています。

 

それを子どもに背負わせることで、より大きな問題を抱えてしまうことになりかねません。

 

とても厳しい言い方になるのですが

愚痴りながらもご主人の行為を黙認し、結果支えているのは奥さんなのです。

 

文句を言いながらも、夫の理不尽な行為を許し、結果支えてしまうことを

「イネイブリング」

と言います。

 

そして、そのイネイブリングを行う人のことを

「イネイブラー」と言います。

 

そして今。アダルトチルドレンの研究で定義化されているのは

 

「アダルトチルドレンの家庭にはイネイブラーの存在がある」

ということ、なのです。

 

つまり、問題を先送りし、自分では解決せずに黙認し

結果的に支え、その問題を子どもに背負わせる、という

イネイブリングを行うことで、

 

子どもはアダルトチルドレンになるのです。

 

 

アダルトチルドレン克服のためには、家族関係の再構築が大変重要

 

カウンセリングにおける介入は、ご相談者に対して

生まれ育ってきた家庭環境(機能不全家族状態)の

状況を確認し、

 

機能不全家族になってしまった状況を

 

「あなたのせいではありません」

「あなたは精一杯頑張ったんです」

「あなたは何も悪くないんですよ」

 

と微に入り細に入りお伝えし続けることで

少しずつ心に積もり、踏み固められた万年雪のようなものを

ゆっくり溶かしていくことが大切です。

 

もう一度家族のあり方を見直せる感じならば

親御さんとアプローチを取る場合もあれば

 

そのご家族から、精神的・物理的な距離感を取る方法を

一緒に考えていく場合もあります。

 

アダルトチルドレン克服に最も効果が高いのは

ご家族関係の見直し、なのです。

 

 

あなたは悪くありません。共に克服方法を探していきましょう

 

アダルトチルドレンの問題を抱える方にとって

共通の特徴といえば

 

「どう思われるか」

「自分が悪いと思われないか」

 

という点です。

 

つまり、自分が無意識に父親を嫌ってしまったり

思ったように家を救えなかった点に罪悪感を背負った経験から

 

「自分も(父と同じように)変に思われないか」

「自分が悪者にされて、誰かに愚痴られたりしないか」

 

が必要以上に気になってしまうのです。

 

 

そんな悩みを抱えて、処理ができなくなってしまった方に

私は

「あなたは何も悪くなんてありません」

「あなたは精一杯頑張ったんです」

「これからはあなた自身のために人生を使っていいんですよ」

とお伝えしていきます。

 

アダルトチルドレンの問題を抱えてしまったのは

あなたのせいではありません。

 

むしろあなたは頑張ってきた努力家さんなのです。

 

カウンセリングでは、あなたが頑張り抜いてきた努力を

自分自身に活かしていく方法を一緒に考えていきます。

 

もしここまでお読みいただいた上で、一部もしくは

全部が我が家に当てはまっていた、という方は。

 

是非ご相談してみてくださいね。

あなたと同じ思いを持った方が、

AC克服カウンセリングにご相談いただいて

人生の方向転換に成功した人がたくさんおられます。

 

次はあなたの番になると私は信じています。

 

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