ACは小さな積み重ねを続けて自分を悪化させる
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「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」
これはイチローの名言です。
AC克服カウンセリングをしていると、
(真逆の意味で)
「小さな自分責めを積み重ね続けてしまって、とんでもないところまで行ってしまってるな…」
と感じるご相談者さんが多いと感じます。
「え?いきなり相談者をディスるのやめてよ!」
と思われたかも知れませんね。(もちろんそんなつもりはありません)
カウンセリングを行う上での吉野の信条は
「目の前にいるご相談者は絶対悪くない」
ということ。
そう。ご相談者は何も悪くないのに、
「オマエが悪いんだ」と思い込まされた環境や周囲の言動のせいで、
そしてそれを「そうだ。自分が居なければ…自分のせいで…」と思い込んだために
自分のメンタルをとんでもないところまで追い込んでしまう、という状態に陥ってしまったのです。
ACは「逆方向へ走ってしまったランナー」
アダルトチルドレンで悩む人にお会いする度
「全速力で逆方向へ向かって走るランナーのようだな」
と感じます。
ACで悩む方の多くが
- 「自己肯定感を高めたい」と言いつつ「自己否定を繰り返したり」
- 本当は自分が何も悪くないところでも、無意識に「自分の落ち度」を探したり
- 本当は十分に合格点レベルに達しているのに「足りない点」に意識を向けたり
という
「走っちゃいけない方向へ全速力で駆け抜けてしまうランナー」
のような状態になっていることが多いのです。
ACはランナー本人ではなく、コーチの存在を疑え
これはお悩みを打ち明けてくださるACに問題があるのではなく、
そのACを育て、そういう環境を作り上げ、改善を行うどころか、
「こういうものよ」
「これが当たり前なんだから、早く慣れなさい」
とばかりに、誤った情報を伝え続けた側に大きな問題があることが大半です。
つまり「全速力で反対方向に間違ったフォームで走るランナー」の影には
「そのように指示したコーチ(親・養育者)の存在」
があるのです。
「練習させないコーチ」がACを悪化させる
多くの方からご相談を受けていて感じるのが
- 失敗が怖い
- 批判が怖い
- 自信が持てない
という3つが圧倒的に多いこと。
詳しく解説していきます。
ACは失敗を怖がる
ACは失敗することを極端に怖がり、必要以上に避けようとしがちです。
失敗が怖いのは、それだけ
- チャレンジする回数が極端に少なかった
- 失敗を回避させられてきた
- 失敗は「悪いこと」「良くないもの」「絶対ダメなもの」と教わってきた
- 失敗しようものなら(養育者から)白い目で見られた
- 養育者の知らないことをすることが許されなかった
という経験が多かったことを意味しています。
つまり、親が
「そんなことは危ないからやめて」
「そんなことやったって無駄だ(意味がない・何の役に立つというんだ)」
「失敗するに決まってる(だからやるな)」
「失敗したらみっともない(恥ずかしい)」
「またワケのわからないものに興味を持って…あきれた」
などという言葉を(自分の望ましい行為以外で)投げかけていると、
失敗に対するイメージ、というものが「ものすごく悪いもの」
として育ってしまい、その結果、
親の望む行動以外は何もできない(自分の意思を持たない)子になってしまうのです。
ACは批判を怖がる
失敗と同じように、ACは批判されることを極端に怖がります。
これも、親が
「そんなことしたら笑われるよ」
「そんなことやったら変に思われるよ」
「ほら、周りのみんなを見てご覧?あなただけだよ。そんなことをしているのは」
「ほら見て。あの子。あんな格好して恥ずかしくないのかしら」
「あんなに笑われてまで有名になりたいのかしら。あなたがあんなことしたらお母さん死んじゃうわ」
などという言葉を(自分の望ましい行為以外で)投げかけていると、
「批判されてはならない」「違ってはならない」「主張してはならない」
などというルールに縛られたまま育ってしまい、その結果、
親の望む行動以外は何もできない(自分の意思を持たない)子になってしまうのです。
ACは自信が持てない
結果的にACになってしまう人は、養育者から
自信剥奪を受け、何をやるにも
- 失敗を避けることをまず先に考え
- 周囲に笑われない(同じように振る舞い、周囲に溶け込むこと)ばかり意識してしまうことで
何をやるにも自信が持てない生き方を強いられてしまうことになります。
こうやって育てておきながら、
大人の年齢に近づいてきた段階で
- ここからは自分で判断しなさい
- もう大人(の年齢)なんだから自分で決めなさい
- 自分で決めていいけれど、でも親の意見も叶えなさい
- ここまでレールを敷いてやったんだから、決して失敗しないでね
- ここまでレールを敷いてやったんだから、この先笑われないように生きてね
などという言葉を投げかけているために
「何をやっても自信が持てない」
という悩みを抱えてしまうことになるのです。
「言ったか言わないか」ではない。「伝わったかどうか」なんです
ここまで書くと、一部のご相談者から
「親から言われた覚えはないんです」
「親は優しかった。だから(自信が持てないのは)自分の問題なんです」
という声が出てきます。
でも。大変残念ながら「言ったかどうか」ではないんです。
「どのように子に伝わったか」なのです。
確かに養育者は子に対して「そうは言ってない」かも知れません。
でも、親が望まない行為を取った瞬間
- 残念そうな顔をしたり
- 怒り出したり
- 悲しんだり(ときには泣いたり)
- 夫婦喧嘩がはじまったり
- 数日ギクシャクした関係が続いたり
するだけで「ああ、自分は間違ってたんだ」と刷り込んでいくことになります。
(こういう例は特にお母さんが若見えして、結構よくしゃべる、俗に言う「友だち親子」のような関係に多い気がします。
友だち親子だからといって、うまく行ってるとは言い切れないのです)
家庭は「小さなことを積み重ねる」【場】であり【温床】にもなる
冒頭に紹介したイチローの言葉、
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」
ですが、これは
- 望ましい幸せへの道へ向かう
こともあれば、真逆に
- 望んでいなかった不幸への道へまっしぐら
となる場合もありえます。
親は「子のためを思って」失敗を避けて育てあげたために
子は「失敗を極度に恐れる子」になってしまったり、
「親(もしくは上司や先輩などの目上の人)の顔色を見ないと意見が言えない子」になってしまうケースが
超大量発生しかねない状況を生んでいるのです。
お子さんはもちろん、実際に育てている親御さん自身が
「自分の育て方を見直す」
「育て方を変える」のには
ものすごい体力や労力が必要になるのはわかります。
でも。だからといって。
親御さんが自らの不安な気持ちを抑えられずに発生させた
「失敗させない子育て」
を続けて構わない理由にはなりません。
毒親=「失敗させない子育て」の実践者
「毒親」と言われてしまう親御さんがおられます。
そんな風に言われてしまった親御さんのカウンセリングをお受けすることも多いのですが、
ほとんどの場合、みなさん「優しくていい人」です。
でも、それなのに、子どもの前では態度が豹変したり
優しいけれども子どもの主張を通させなかったりするのはどうしてなのか?
私自身、カウンセリングを続けているうちに見えてきたのが
- 道を外れる(失敗する)不安が大きく
- 他者から「どう見られるか」が異様なまでに気になり
- 親御さん自身、実は自信が持てない人
が多かったのです。
つまり。
ACのご相談者の中に圧倒的に多かった、
- 失敗が怖い
- 批判が怖い
- 自信が持てない
要素は、結局は「親から受け継いだもの」と言えてしまうのです。
「愛していたら思った通りにしていい」ワケではない
お子さんのことをどれだけ愛していても。
いや、愛している思いが強ければ強いほど。
親御さんはつい、無意識レベルでコントロールをしはじめてしまうもの。
この記事がどのような経緯で目に止まったかはわかりませんが
(もしかしたらお子さんから「これ読んで」と言われたのかも知れないですし、ご自身で検索されたのかもわかりませんが)
こうやって出会われた以上、
今の、そして今までのご家庭の中に
- お子さんの思いを奪う(コントロール)することはなかったか
- 失敗を避けて安全な道ばかりを歩ませることを気にしていなかったか
- 周囲の子(またはきょうだいや親戚)と比較して、もっとできる子にしようとしていなかったか
などの空気感がなかったかどうかを問うてみてほしいのです。
「子どものことを愛していない親はいない」
この言葉。カウンセラーの吉野は好きではありません。
私にも3人の子がいる親の立場ですし、確かに愛してはいるとは思いますが
愛している=コントロールして良い
愛している=失敗を奪っていい
愛している=親の主張が絶対だと思っていい
という公式は成り立ちません。
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