相手の機嫌に振り回される「フォーン反応」とは?|人の顔色を読みすぎる理由

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「相手が不機嫌になると、すぐに自分のせいだと思ってしまう」
「断りたいのに、断ったあとの空気が怖くて引き受けてしまう」
「本当は嫌なのに、相手に合わせた方がその場が丸く収まる気がする」

こういう感覚を持ちながら、人間関係を続けていませんか?

心理学やトラウマケアの領域では、こうした反応を「フォーン反応」と呼ぶことがあります。
フォーン反応とは、相手に合わせたり、なだめたり、機嫌を取ったりすることで、自分の安全を守ろうとする反応です。

フォーン反応=無条件に相手に合わせてしまう反応

闘うFight)。
逃げる(Flight)。
固まる(Freeze)。

人は強い恐怖や不安を感じたとき、無意識的に上記の3つ(3つのFと言われます)のどれかで対応するようにできています。

でも、育った環境が「闘うことも、逃げることも、固まることすら許されなかった場合、
人は「4つめのF」を選択せざるを得なくなるのです。

4つめのF。それが「フォーン反応(Fawn)」

闘う。逃げる。固まる。
そのどれもが許されない、または、上記の3つではうまくいかなかったとき、人は
「相手に合わせることで、その場を生き延びようとする」
しか選択肢が残っていないと感じて、相手に従ってしまいます。

こういう話を聞くと、ご相談者さんの中には

  • 自分は八方美人だ・すぐに迎合してしまう
  • 弱いからそんな反応しかできないんだ
  • そんな自分を直さないと(強くならないと)ダメだ

と考えてしまう人がいらっしゃるのですが、決してそうではありません。

フォーン反応を無意識に選択してしまう人は、今までの人生が
「心理的に危険な状況に幾度となく晒されることがあり」
「闘う、逃げる、固まる、などの選択肢が与えられることもなく」
「それでもなんとか生き延びよう、愛されようと足掻いた証」だったことを意味しているのです。

選択肢が1つしか残ってない状況を頑張って生き抜いてきたあなたのことを、あなた自身が責めるのをやめてほしい。
そんな思いでこの記事を書きました。

フォーン反応とは|相手に合わせて安全を守る反応

英語の「fawn」から来る「フォーン反応」。日本語では”迎合反応”と訳されることもあります。

これは決して病名(診断名)ではありません。
なので(アダルトチルドレンなどと同じように)精神科や心療内科などでもあまり使われる言葉ではありません。

けれど、親の顔色を読み続けてきた人、相手の不機嫌に敏感になりすぎている人、断ることに強い恐怖がある人は、とても生きづらさを感じて、無条件に自分の弱さを責めたりしがち。

フォーン反応に気づいた段階で、できるだけ早くその生きづらい状況から脱出する必要があるのです。

フォーン反応を選ぶしかなかった環境とは?

たとえば、子どもの頃に親の機嫌で家の空気が変わる環境だったとします。

親が黙り込む。
急に怒鳴る。
不機嫌な顔でため息をつく。
話しかけても無視される。

そのたびに子どもが「自分が何とかしなきゃ」と感じてきたなら、その子にとって親の機嫌を読むことは、ただの気遣いではありません。
家の中で安全に過ごすための”生存戦略”になります。

「今、話しかけても大丈夫かな」
「これを言ったら怒られるかな」
「今日は機嫌が悪そうだから、明るく振る舞っておこう」
「本当はそうじゃないんだけど「うん」と言っておこう」

こうやって相手の状態を先に読み、自分の言葉や態度を調整してきた人は、大人になってからも同じ反応を繰り返しやすくなります。

フォーン反応のクセは大人になっても抜けない

幼少期から「それしか選択肢がない」状態で育ってきた人にとっては
「大人になったから」という理由で、急に他の選択肢を選ぶことは不可能に近いもの。

だから、大人になってからも

  • 上司の機嫌
  • 配偶者の表情
  • 友人からの返信の遅さ
  • 恋人の声のトーン
  • 店員や電話口での接客態度 など…

こういう場面で、自分の気持ちより先に

  • 「相手は怒っていないか」
  • 「嫌われていないか」
  • 「自分が何かしたのではないか」
  • 「どうやったら許してもらえるか」

と、真っ先に考えてしまうのです。

 

相手の機嫌に振り回される人は自分の気持ちを見る前に空気を読む

フォーン反応が強い人は、自分の気持ちを確認する前に、周りの空気を確認します。

本当は休みたい。本当は断りたい。本当は傷ついた。

でも、その本音を感じるより先に、相手の顔色を見てしまうのです。

「ここで断ったら気まずくなる」
「今は相手が大変そうだから、自分が我慢した方がいい」
「怒らせるくらいなら、自分が合わせた方が早い」

こういう判断が、ほとんど反射のように起きます。

優しい人と思われがちなのに、本心は…

周りから見ると、優しい人に見えるかも知れません。
協調性がある人、気が利く人、空気が読める人に見えることもあります。

でも。本人の中では、かなりしんどいことが起きています。
フォーン反応を繰り返す人の心の中では

  • 大丈夫だっただろうか
  • なんとか無事に済んだ(助かった)だろうか
  • 嫌われてないだろうか
  • バレてないだろうか
  • 責められたりしないだろうか

という感情にとらわれ、楽しかったはずなのにいつも

【ひとり反省会】

を始めて、最後にはぐったり疲れてしまうのです。

 

迎合してくれる人は”都合のいい人”ではない

フォーン反応を繰り返す人には、もう一つ見落とされやすいことがあります。

相手に合わせてくれる人を見て、「この人は扱いやすい」と思う人がいます。
恋愛や夫婦関係でも、いつも合わせてくれる相手を「自分にとって都合のいい人」と感じることがあるかも知れません。

でも、それはかなり危うい見方です。

フォーン反応で相手に合わせている人は、必ずしも心から納得して合わせているわけではありません
怖いから合わせている空気を壊したくないから合わせている怒らせないために、自分の本音を心の奥へ押し込んで隠してしまうことが多いことに、周囲は気づいてあげる必要があります。

つまり、フォーン反応のある人の賛同や迎合は同意とは限らないのです。

賛同や迎合=同意ではない

その場では「いいよ」と言っていても、心の中では傷ついていることがあります。
その場では笑っていても、あとから失望や怒りが蓄積していったり、
そこに気付かない相手が調子に乗って境界線を踏み越え続けると、ある日突然、感情が爆発したり、急に連絡が取れなくなってフェイドアウトしてしまう場合もあるので注意が必要です。

その他にも例えば、

  • 優しい人だと思って結婚したら、急にヒステリックになった
  • 子育ての場面で急に態度が豹変してイライラが止まらなくなった
  • 職場でいつも笑顔だったのに、突然メンタル不調を起こして会社に来れなくなった

こういうことも少なくないのです。

だから、相手がいつも合わせてくれるからといって、その人が平気だと思わない方がいいのです。
合わせてくれる人ほど、じつは内側でかなりの負担を抱えていることがあるから、です。

フォーン反応を緩める第一歩とは

フォーン反応を緩めていくために必要なのは
「相手の感情」と「自分の責任」を分けること、です。

相手が不機嫌であること。
相手が黙り込んでいること。
相手が期待通りの返事をもらえずに拗ねていること。

それらは、すべてあなたが解決しなければいけないものではありません

 

必要以上に謝ったり合わせてしまうあなたへ

もちろん、あなたが誰かを傷つけてしまったことが明白なら、謝ることは必要です。
自分の言動を振り返ることも大切です。

でも、相手の機嫌そのものを、あなたが毎回引き受ける必要はありません

「今、相手は不機嫌そうに見える」
「でも、それを全部自分の責任にしなくていい」
「自分は今、何を感じているのか」

こうやって、相手を見る前に自分へ戻る練習が必要です。

 

フォーン反応の自覚がある人は、今もうすでに「背負いすぎ」です

ここまでお読みくださったあなたは、もしかしたら人に気を遣いすぎてヘトヘトになっておられる可能性が高いはず。
先ほど書いた

相手の機嫌をあなたが引き受けなくてもいい訓練

を、できるだけ早く始めてほしいと思っています。

最初はとてもハードルが高く感じてしまうかも知れませんが、少しずつ訓練していくことで
「相手の感情」と「自分の責任」の切り分けはうまくいくようになります。

AC克服カウンセリング大阪では、こうした反応を「あなたに問題がある」「あなたの弱い性格」として扱いません。
幼少期の場面を振り返りながら、どの場面で顔色を読むことを覚えたのか、なぜ本音を出せなくなったのかを整理していきます。

たとえばナラティブワークでは、当時の家庭の場面を一緒に見直し、「あのとき本当は何を感じていたのか」「誰の機嫌を背負わされていたのか」を確認していきます。境界線を引くワークでは、相手の感情と自分の責任を分け直す練習をします。

敏感さを消す必要はありません。
顔色を読んできた自分を責める必要もありません。

必要なのは、その反応がどこで身についたのかを理解し、今の人間関係にそのまま持ち込まなくていいと知ることです。

相手の機嫌に振り回される毎日が続いているなら、一度、その反応の背景を整理してみてください。
必要であれば、公式LINEからご相談ください。相手の機嫌を読むことが当たり前になった背景を、一緒に整理していきませんか。

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