「毒親」とは何?あなたの知らない毒親の真実について
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「毒親」に悩む人は意外と多いもの。
当サイトにも16年間でのべ約9,000名を超えるご相談者からのご相談の中で
「毒親」という言葉を気にされておられる方がとても多かったのです。
でも「毒親の定義」が分かりにくく苦労している人や、
やみくもに「育ててくれた親のことを悪く思う自分が悪い」と思い込んでしまってる人が多いのも事実。
今回は
- 毒親の定義
についてお話しながら
- どこのラインを越えたら「毒親」なのか
について考えていきます。
「毒親」について悩んでおられるお子さん側の方や
「子どもから「毒親」と言われて混乱している」親御さんも
是非一度目を通しておいて欲しい記事です。
自分責めする子の大半は「親に問題」があった
カウンセリングを行ってきた経験上、
「自分が悪いんです」
「(負の感情を感じてしまうのは)自分の受け止め方に問題があるんです」
と相談をしてきた方のお話を詳しく伺っていると、
そのほとんどが「親に問題」があった、としか言いようのない過去が浮き彫りになってきます。
でもご相談者の多くが親をかばおうとします。
「愛してくれてたから」
「欲しいものがあったらお金出してくれたから」
「学校も行かせてもらえたし」
「別に虐待を受けた訳ではないので」
そして最後には
「自分以外の誰かを悪く言いたくない」
と言われてしまい、
- ポジティブな気持ちになれない自分を責め
- チャレンジできない自分を嫌い
- 最終的に混乱しながら「自分が悪い」というところに自分を押し込んだまま生きていく
私はそういう方をたくさん(本当にたくさん)見てきました。
自信剥奪されてしまった「毒親に育てられた子」を1人でも減らしたい
私(AC克服カウンセリングの吉野遼太)は
親から知らず知らずのうちに自信剥奪されてしまった子を
1人でも減らしたい。
そんな気持ちで日々カウンセリングをしています。
改めてここからは「あなたの知らない毒親の真実」というテーマで
- 毒親ってどういうものなのか
- 何が問題なのか
- このワナから抜け出せないとどうなるのか
- どうすれば抜け出せるのか
についてお伝えします。
恐怖を与える毒親・優しさで縛る毒親
この図をみてください。
弱すぎる20% 強すぎる20% 普通(真ん中60%)で区切りを入れてみました。
ちなみにあなたの親はあなたを育てる上でどこに入ったでしょう?
ちなみに弱すぎる・強すぎる(両側)は不適応。普通(真ん中)は適応と考えます。
当たりが強すぎる親は、子を「恐怖感」でコントロールする
家庭環境や子育ての姿勢が「強すぎる」つまり
- 子を怖がらせたり
- 体罰を与えたり
- いつまでもネチネチとしつこく叱ったり
- 無視したり親が出て行ってしまったり
- くつろいだり楽しんでいたらイライラしはじめたり
という態度を取ることで、やられた側の子は「恐怖感」を感じてしまいます。
(これを私は「毒親による『恐怖感コントロール』」と呼んでいます)
当たりが弱すぎる(優しすぎる)親も問題
逆に「うちの親は優しかった。叩いたことも(ほとんど)ない」と言われる方もおられます。
が。それはそれで別のコントロールを与えている場合も多いのです。
例えば
- 子に「泣き落とし」を仕掛けたり
- 「そうなのね」と寄り添っても自分の意見と違うと「でもね」と反論したり
- 思い通りにならないと悲しい顔をしてみせたり
- 「もうママ(パパ)の言うことは聞いてくれないんだね」と拗ねたり
- 「怖い怖い」「危ない危ない」とチャレンジすることを過度に怖れたり
を(無意識か意識的かに関わらず)与え続けた場合、
「親の言う通りにしないと愛されなかった子」が出来上がってしまうだけでなく
自分が意見を持つこと自体に「罪悪感」を感じるようになってしまいます。
あなたの家はどうだった?毒親チェックリスト
今回7つのチェックリストを用意しました。
それぞれの設問ごとに「強すぎる反応(不適応)」「弱すぎる反応(不適応)」「望ましい反応(適応)」に分けてみました。
あなたの親御さんは一体どういう対応をしたでしょう?
この後を読み進めながら「強い・弱い・ちょうどいい」に分けてみてください。
毒親チェックリスト7選
- あなたの親はあなたに対して強く叱ったか?(何も叱らない、もしくは悲しい顔をしたり親が泣いたりした(弱すぎ)・今まで5回未満(普通)・しょっちゅう叱られた、ヒステリックになったり場合によっては暴力も…(強すぎ))
- あなたに興味と関心を示したか?(あまり見てもらえなかった、親の趣味に合わないと嫌そうな顔をした(弱すぎ)・欲しいときにはちゃんと受け止めてくれた(普通)・即否定したりものすごく干渉した、根掘り葉掘り知りたがった(強すぎ)
- あなたが好きになったものに対して(無関心、自分の趣味に合わないと「うーん…」(弱すぎ)・親の趣味に合わなくても理解し、応援してくれた(普通)・何かに付けてケチをつけたり否定した(強すぎ))
- 失敗したことに対して(ほったらかし、ダメだよ、ただ悲しい顔をした(弱い)・失敗から学べたことを一緒に見つけてくれ、受け止めてくれて、再チャレンジを促してくれた(普通)・拒否反応を示して過剰反応した(強すぎ))
- 進路に関して(興味を示さない、お金がかかるかどうかで判断(弱い)・あなたの未来を応援する姿勢を示す(普通)・自分の思いと合わないとものすごい剣幕になるか、何度も「もう一回考え直さない?」と嫌そうな態度(強すぎ))
- あなたの行動に対して(無関心、または優しく否定してくる(弱い)・見守ってくれてる感(普通)・全部知りたがり口出しする(強すぎ)
- 会話のボリューム(ほとんどない、親の意に沿うような会話のみ(弱い)・全員バランス良く、誰かが話し始めたら最後まで聞く(普通)・誰かが一方的に話し、他の人が話してもその話を取る(強すぎ))
いかがでしょうか?自己判断は難しいかもしれませんが、正直なところ「弱いまたは強い」があれば、もうそれだけで問題なのです。
おそらくお子さんは言いたいことが言えず、自己主張もできなくなっている可能性が高いでしょう。
親からコントロールを受けた人はどうなるか?
例として「親がほとんど干渉せず、何も決めてもらえなかった」育てられ方をしたAさん(架空の人物)について考えていきましょう。
- あなたの親はあなたに対して強く叱ったか?(何も叱らない(弱すぎ))
- あなたに興味と関心を示したか?(あまり見てもらえなかった(弱すぎ))
- あなたが好きになったものに対して(無関心(弱い))
- 失敗したことに対して(ほったらかし、ダメだよ、程度(弱い))
- 進路に関して(興味を示さない、お金がかかるかどうかで判断(弱い))
- あなたの行動に対して(無関心(弱い))
- 会話のボリューム(ほとんどない(弱い))
この場合、Aさんは
- 自分が決めること自体に自信が持てず
- そもそも何も興味も持てず
- でも虐待を受けた認識がないから、決められないことを「自分が悪い」と思い込み
- 好きなものややりたいことが見つけられない自分に絶望し
- 罪悪感を感じながら生きることになる
可能性が非常に高いです。
逆に当たりが強すぎるとどうなるか
今度は逆の事例として、Bさんのパターンを考えてみましょう。
- あなたの親はあなたに対して強く叱ったか?(今まで5回以上すごい剣幕で叱られた(強すぎ))
- あなたに興味と関心を示したか?(ものすごく干渉した、根掘り葉掘り知りたがった(強すぎ))
- あなたが好きになったものに対して(何かに付けてケチをつけた(強すぎ))
- 失敗したことに対して(拒否反応を示して過剰反応した(強すぎ))
- 進路に関して(自分の思いと合わないとものすごい剣幕になるか、何度も「もう一回考え直さない?」と嫌そうな態度(強すぎ))
- あなたの行動に対して(全部知りたがり口出しする(強すぎ))
- 会話のボリューム(誰かが一方的に話し、他の人が話してもその話を取る(強すぎ))
こうなると、Bさんは
- 自分が決めること自体をあきらめてしまい
- 「どうせ無理」と感じて何も興味が持てず
- 逆らうと「怒られる」「叩かれる」と予防線を張るようになり
- 好きなものややりたいことが見つけられない自分に絶望し
- 恐怖感を感じながら生きることになる
可能性が高まっていきます。
親の対応が違っても、子が行き着く先はとても似ている
Aさんは、育児放棄(ネグレクト)を疑うことになるし、関心を持ってもらえないまま、家庭という組織に属することが希薄になるため、社会に出る(人とコミュニケーションを取る)のが怖くなる可能性大だし、
Bさんは、身体的、心理的虐待や過干渉を疑うべきで、自分が思ったことが言えないまま、相手の意見におもねるようになってしまい、社会に出て強権的な上司等から無理難題を押し付けられても飲み込もうとしてしまう。。。
ここでわかってほしいのは
「親が叩いたか叩かなかったか」
「お金を出してくれたか、欲しい物が買ってもらえたか」
「大人になるまで育ててくれたか」
ということではない、ということなのです。
こういった親による微妙な「コントロールの組み合わせ」で、子は社会出ることが怖くなってしまう。
この事実に気づいて欲しいのです。
毒親に育てられながら自責する子
本当は上記のような(不適応な)環境で育ったから生きづらさを背負わされただけなのに、現状こうなっているのは自分だから「自分が悪い」と言い出す。でもそれはおかしいと思うのです。
「うちの親は優しかった」「友だち親子みたいと良く言われた」という方も来られます。
だから親は悪くない。自分が悪いのだと。でもそうじゃない。
やさしかろうが、怒鳴りつけようが
- あなたに興味と関心を示せず
- あなたが好きになったものに対して共感も応援も示さず
- 失敗したことに対して失敗から学べたことを一緒に見つけてくれ、受け止めてくれて、再チャレンジを促してくれず
- 進路に関してあなたの未来を応援する姿勢を示さず、選択肢も与えず
- あなたの行動に対して見守ってくれず
- 会話が一方的、もしくは全然ない
という環境だったのならば、
あなたが育った環境は「機能不全家族」であると言えるし
それを行った親は「毒親」ということになります。
毒親ほど「ちゃんと育てた」と言う
毒親に悩んでおられる方は、親から過去こういうことを言われた、と口を揃えて言われます。
- ちゃんと育てた
- 一生懸命育てた
- 私の育った環境よりマシだった
- なんでも聞いてあげたじゃない
- 〇〇についてはちょっと口出ししたかも知れないけど(大したことない)
- 結局あなたも納得してたじゃない
- 親は大変
- あなたも親になればわかる
- 親が謝るのはおかしい(親は謝らない)
- いつまで経ってもあなたは私の子
- 親に口ごたえするな
- 10年(100年)早い
- 生意気言うな
- 親を困らせないで
- 何が不満なんだ?
- 感謝しろ
- 反抗期がなくて良かった
これらのセリフを親が言ってるのを聞いた記憶があるのならば。
それはもう自分のことを「毒親です」と言っているようなものです。
もし、今、あなたが。もしくはあなたの大切なご家族の誰かが。
- 社会(学校含む)に出れなくなった
- 自分がやりたいことや希望、将来の夢を語れなくなった
- チャレンジできず、失敗を異様なまでに怖れている
という状態であるのならば。
今すぐ親子関係の修復を行うことが何より大切です。
毒親問題から抜け出るために大切なこと
ここまで読み進めてくださったあなたはきっと、
なにかの生きづらさを抱えていて、そこから抜け出したいと
考えられているのだと思います。
まずは、自分自身がどういう環境で育ったか?をゆっくり判断してみましょう。
- あなたの親はあなたに対して強く叱ったか?
- あなたに興味と関心を示したか?
- あなたが好きになったものに対して
- 失敗したことに対して
- 進路に関して
- あなたの行動に対して
- 会話のボリューム
これらの7つのポイントが「適応」だったか「不適応」だったかを考えて
もし不適応な環境だったとしたら
- まずは親との心の距離を離す
- それができたら物理的な距離を離す
- 「自分は何も悪くなかった」と知る
- ではどう生きるのが正しいのか?を考えながら生きる
これが肝心。ここからスタートを切っていくのです。
毒親問題は解決が長期化しやすい問題です
毒親問題は解決が長期化しやすい問題である、と言えます。
- ご本人が問題の本質(自分が悪かった訳ではない)に気づき
- できれば親も問題に気づき、反省すべきは反省し
- 家庭内のあり方を徐々に書き換えていき
- すごしやすい家庭を作り直す
ここまでできてからやっと
- お子さんの社会復帰プログラムを考える
というステップに移行していくことが必要なのです。
(多くのご家庭が「毒親問題」に見向きもせずに「うちの子が会社を辞めて部屋に引きこもってしまったからなんとかして欲しい」と「復帰プログラムにばかり意識を向けられているのが現状です。とても残念なことです)
もちろんカウンセリングの現場において、カウンセラーが親御さんを叱ったりということはありません。
ですが、ご家庭にどんなことがあったのかを振り返り、親御さんご自身が家庭のあり方をもう一度見直すことができてから、やっと一歩前進する、ということをご理解いただきたいのです。
毒親問題だけが片付けばいいのか?
毒親問題だけが片付けば、お子さんの人生が一気に良くなる、とは言えません。
ですが、毒親問題に着手しないとずっと、問題は未解決のままになってしまう可能性が高まります。
あなたが今まで気付けなかった毒親の真実を知って、不適応な状態から抜け出すようにしていきましょう。